転職をしたいけれども、スキルがないと悩んでいる30代の方も多いと思います。30代は社会人として10年以上働いていることも多いですし、転職の際には一定のスキルを求められることが多いのではと不安な人も多いでしょう。

ただし、30代でスキルがなくても転職に成功する場合はあります。ここでは、30代の転職事情や、スキルがない30代でも転職をすることが可能かを解説するとともに、スキルなしでも転職を成功させるための方法を紹介します。

30代での転職事情

30代で転職する人はどのような人で、どれくらいおり、どんな理由で転職しているのでしょうか。ここでは、データをもとに解説します。

30代の転職割合

まず、30代で転職をする人の割合を見てみましょう。

厚生労働省の調査データの「年齢階級別転職入職率」を見ると、男性では30~34歳で9.5%が、35~39歳では7.7%が転職をしています。女性では、30~34歳で14.0%が、35~39歳では10.7%が転職をしています。

20代では男女ともに約15%が転職をしていましたが、30代になると転職をする割合は下がります。特に男性は30代になると10%未満となっています。男性は30代になるとひとつの会社で長く働いていると考えられますが、これは30代での転職が難しいということでもあるかもしれません。

そして、40代、50代で転職割合が減っていることからも、転職は年齢を経れば経るほど難易度が上がることがわかります。

30代での転職の理由

では、30代で転職をしている人はどのような理由から転職をしているのでしょうか。

上の調査データの「転職入職者が前職を辞めた理由別割合」を見ると、「その他の理由」を除くと、以下の理由の割合が高くなっています。

30 ~ 34歳 35 ~ 39歳
男性 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 会社の将来が不安だった
給料等収入が少なかった 職場の人間関係が好ましくなかった
会社の将来が不安だった 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
女性 職場の人間関係が好ましくなかった 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
労働時間、休日等の労働条件が悪かった 職場の人間関係が好ましくなかった
会社の将来が不安だった 給料等収入が少なかった

これを見ると、労働条件への不満や会社の将来に不安を感じて転職をする人が多いようです。男性では30代後半になると会社の将来に不安を感じての転職が増えています。このまま働いていてよいのか、という不安から転職するのだと思われます。また、女性と30代後半の男性は人間関係に問題がある場合に転職をする傾向にあるようです。

また、30代で未経験の仕事に転職をした理由のデータを見てみると以下のような結果となっています。

やりたい仕事がある 18.5%
前職に不満/環境を変えたい 17.6%
ライフスタイルの変化 12.7%
新しい仕事に挑戦したい 9.8%
収入アップのため 8.8%
知人・家族の紹介や誘い 8.3%
仕事が合わなかった 4.4%
正社員になりたい 4.4%

30代で未経験の仕事へ転職するというのは、これまでに培ったスキルを使うことができないことも多いでしょう。それでも転職するのは、やりたい仕事があるからや新しい仕事に挑戦したいという前向きな理由からが多いようです。

他にも、前職に不満がある場合や環境を変えたいという場合、収入アップのためのように不満を解消するためという場合も多いようです。

30代での転職は給与が下がる?

30代での転職は、収入への不満や将来への不安から起こることがありますが、転職によって収入を上げることはできるのでしょうか。「転職入職者の賃金変動状況別割合」を見ると、転職による賃金変化は令和4年では以下のようになっています。

増加 減少
30 ~ 34歳 39.4% 32.3%
35 ~ 39歳 44.9% 23.3%

これを見ると、転職によって収入が減少した人よりも増加した人のほうが多いことがわかります。また、30代後半になるほど収入が上がる人の割合が大きいこともわかります。

ただし、ここで解説したデータはスキルがない人だけでなく、スキルがある人も含んだデータとなっていることに注意が必要です。30代までにスキルを蓄えていたからこそ、収入が上がった可能性があります。

30代、スキルなしでも転職できる?

30代で転職している人は20代などの若手よりも減りますが、一定数いることがわかりました。では、30代でスキルがなくても転職はできるのでしょうか。

経験やスキルがなくても転職できる?

スキルなしでも転職ができるかどうかを知るために、まずは株式会社リクルートの調査データを見てみます。このデータを見ると、「異業種×異職種」という、まったく経験したことのない仕事へ転職をしている人は、30~34歳で35.7、35~39歳で31.4%いました。

異業種×異職種の仕事では、前職までに培った知識やスキルが使えない場合が多いはずですので、30代でスキルがなくても転職をすることができるとわかります。

スキルなしだと転職しても収入は低い?

では、スキルなしで転職をした場合に、収入はどうなるのでしょうか。30代での転職では収入は増える傾向にありましたが、スキルがないと収入は低くなってしまうのでしょうか。

2024年の転職動向調査を見ると、リスキリング経験がある人の転職後の平均年収額は559.3万円ですが、経験なしの人は419.5万円となっており、転職までにスキルを得た人とスキルがない人では139.8万円の差があることがわかります。

スキルなしでの転職でも前職よりも収入が高くなる可能性はもちろんありますが、スキルがある人の転職よりも収入は低くなることが多いでしょう。ただしこれは逆にいえば、収入を高めるにはスキルを身につければよいということでもあります。

30代がスキルなしで転職するときのリスク

スキルなしの30代が転職をするときにはリスクもあるので注意しましょう。

上司が年下になることも

30代でスキルなしで転職する場合、上司が年下になる可能性があります。スキルがない状態で転職をすると、いきなり役職を与えられることはありません。ですので、社歴が長い年下の人が上司や、若くてもスキルのある上司の下で仕事をすることになります。

スキルがない場合には、年下にイチから教えてもらいながら仕事をしなくてはなりません。年齢が上だからといってプライドを持つのでなく、年齢を気にせず上司に従う姿勢が必要となります。

収入が下がる可能性がある

30代でスキルがない人が転職をする場合、収入が下がる可能性があります。

スキルがなくても前職で長く勤めている場合、勤務年数に応じて収入が上がっているかもしれません。30代でスキルがない状態で新しい職に就くときには高い収入での契約は期待できないので、前職よりも収入が下がる可能性があるのです。

ただ、収入が下がったとしても、新しい仕事でスキルを身につけて昇進したり、さらに転職をしたりすれば、前職よりも高い収入を望めるでしょう。

転職に時間がかかる可能性がある

30代でスキルがない人の転職では、転職が成功するまでに時間がかかる可能性があります。

これは、30代での転職では20代よりも採用率が落ちますし、より高いスキルが求められるからです。そのため、30代でスキルがない場合には、転職活動が難航し、企業に採用をしてもらうまでに多くの時間がかかる可能性があります。

ただ、前職の経験を評価してくれる企業もあるかもしれませんし、30代でも採用に前向きな企業などもあるので、採用されないからといってすぐにやめるのでなく根気よく続ける姿勢が大事です。

ここまで見てきたように、30代でスキルなしの場合の転職活動では、いくつかリスクがありますが、やりたい仕事につけたり給与が上がったり、労働環境がよくなったりという様々なメリットもあります。

スキルなし30代の転職を成功させるポイント6選

では、30代でスキルなしでも転職を成功させるために、抑えておいたほうがよいポイントを6つ紹介します。

1.スキルを学び始める

転職をさせるためには、スキルを学び始めるのがおすすめです。

現在スキルがないといっても、短期間で得られるスキルなどもあります。また、まだスキルが身につけられていなくても、スキルを学び始めたという姿勢や熱意は転職活動の面接においてアピールできる可能性もあります。

スクールに通う、外部の研修を受けるなど、自発的にスキルを学びましょう。スキルを学ぶことで視野が広がったり、より興味のある仕事に出会えたりというメリットも得られるかもしれません。

2.資格を取得する

30代でスキルがなくても、今から資格を取得することで転職を有利に進められる可能性があります。資格を取得すればスキルや知識を証明できますし、未経験の仕事でも採用されやすくなるでしょう。応募する職種に関係する資格を受けましょう。

資格のなかには比較的難易度の低いものもありますし、短期間で取得できる可能性があります。難易度の高いものも取得まで時間がかかるかもしれませんが、資格の勉強をすることで業界や職種に詳しくなり、面接を優位に進められるでしょう。転職活動の前や転職活動と並行して、資格の勉強を行うとよいかもしれません。

3.スキルなしでも転職しやすい職種を選ぶ

スキルなしで転職しやすい職種を選ぶのもポイントです。

スキルが求められるような仕事に転職をしようとすると、スキルを持った他の応募者のほうが採用されやすいです。やりたいことや希望の仕事が決まっていない場合には、スキルが必須の仕事よりもスキルが求められないような仕事を選ぶのがよいかもしれません。

また、同業種の仕事に転職しようと思っている場合には注意が必要です。同業種の場合には、前職で培ったスキルや実績をもとに判断されやすいです。

先ほどのデータを見ると、30代で「異業種×異職種」の割合が高い職種は、「経営企画・事業企画・業務企画」「オフィスワーク事務職」「マーケティング」「インターネット専門職(Webエンジニア含む)」となっています。こういった仕事は、スキルがなくても採用してもらえる可能性があります。特に、インターネット専門職は将来的なスキルにもつながるのでおすすめです。

4.30代の未経験採用をしている会社を選ぶ

30代の未経験者の採用を積極的に行っている企業を選ぶことも、30代でスキルがなくても転職を成功させるポイントです。

未経験者採用ということは、採用の時点では企業はスキルを求めていないことになります。求人票を見て、「未経験可」や「未経験歓迎」と書かれており、対象の年齢に30代が含まれるかどうかを確認しましょう。

ただし、未経験者採用であっても、入社後にスキルが身につかない企業では今後同じように悩むことになります。研修などの教育体制が整っている企業や、手に職をつけられるような業務内容の会社などを選ぶようにしましょう。

5.経験のなかで活かせる部分をアピールする

採用試験や面接では、これまでの経験のなかで活かせる部分をアピールしましょう。

スキルがないからといって、自身をアピールしなければ不採用となってしまいます。これまでの仕事のなかで培った経験やスキル、知識などを説明する必要があります。

特に、マネジメントやコミュニケーションなどの汎用スキルは、どの仕事であっても求められる能力です。前職で身につけた汎用スキルと、それを活用した成果などをアピールするようにしましょう。

6.エージェントに相談する

転職エージェントに相談することも、スキルのない30代が転職を成功させるポイントです。転職エージェントは多くの人材の転職を支援していますし、多くの企業を見ています。だからこそ、同じような人材の転職支援を行ったことがあるかもしれませんし、30代未経験の求人を行っている企業を知っているかもしれません。

また、30代でスキルがなくても、職務経歴書や面接においてアピールする方法を知っている可能性があります。転職エージェントに依頼をすることで、より転職を成功させるアドバイスをもらえるのです。

転職エージェント利用者のほうが、利用しない人よりも年収が上がるというデータもあります。ぜひ転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントを選ぶときのポイント

30代でスキルなしだと、転職においてより対策が必要になるので、エージェントがとても重要になります。ここでは、よりよい転職エージェントを選ぶときのポイントを紹介します。

実績が豊富か

転職エージェントの実績が豊富かどうかを確認しましょう。

スキルなしの30代の転職を成功させるには、条件に合った企業を提案してもらえるエージェントで、採用のためのノウハウを知っているエージェントでなくてはなりません。実績が豊富ということはそれだけ未経験者や30代の転職も成功させているはずです。そして、それだけ求人を豊富に紹介するとともに、採用のノウハウを持っているでしょう。

転職エージェントの実績数が豊富か、30代のスキルがない人材の成功事例が豊富にあるかなどを確認するのがよいです。また、運営歴もノウハウに影響するので、運営歴が長い転職エージェントを選ぶようにしましょう。

サポートが手厚いか

転職エージェントのサポートが手厚いかどうかも確認しましょう。

スキルなしの30代の転職というのは、転職活動において課題にぶつかることが多いです。なかなか採用されなかったり、面接で自分をうまくアピールできなかったり、妥当な条件がわからなかったりと、自分では解決が難しい場面もあるでしょう。

そんなときに、サポートが手厚い転職エージェントであれば、豊富な人材を見ている経験から的確なアドバイスをもらうことができます。ですので、経験豊富な担当者が親身になって相談に乗ってくれる会社を選ぶのがよいです。また、研修を実施して、業界の基本的な知識やスキルを教えてくれるエージェントなどもおすすめです。

未経験可の求人を多く扱っているか

未経験可の求人を多く扱っているかどうかも確認しましょう。

30代スキルなしの人が転職する場合は、即戦力として働くためのスキルがないので、未経験可の求人に応募しなくてはなりません。だからこそ、未経験可の求人を多く紹介してくれるエージェントに相談すべきです。

異業種×異職種の転職者が多い「経営企画・事業企画・業務企画」「オフィスワーク事務職」「マーケティング」「インターネット専門職(Webエンジニア含む)」の未経験案件を多く扱っているかを確認するのもおすすめです。

スキルがない30代の転職はベスキャリで

スキルがない30代の人は、転職に苦戦するかもしれません。しかし、今回紹介したような方法で適性のある求人に応募することで、採用される可能性を高めることができます。

そして、将来を考えたときにスキルを身につけたいという人には、エンジニアへの転職がおすすめです。エンジニア業界は人材が不足しており、多くの企業が未経験でも採用しています。そして、この不足は今後も続くと考えられています。エンジニアにどれだけ需要があるかは以下の記事で解説しているので参考にしてください。

市場価値の高いエンジニアの職種、特徴って?データをもとに解説

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