新卒で就職したけれどもブラック企業だった…、職場の環境が合わない…、やりたい仕事ができてしまったなどの理由で、新卒で入社したあとに転職を考える人も多いと思います。
しかし、新卒で就職して間もないうちに転職活動をしてしまうと、転職が難しいのではないかと考える人も多いでしょう。はたして、新卒で入社してすぐに転職はしないほうがよいのでしょうか?また、どのタイミングで転職をすべきなのでしょうか。
ここでは、新卒での転職のメリットデメリットを解説するとともに、新卒が転職するのにおすすめのタイミングや早めに転職すべき人などを紹介します。
目次
新卒で転職している人はどれくらいいる?
まず、新卒で転職している人がどれくらいいるかをデータから解説します。
新卒での転職率
中学 | 52.9%(▲4.9P) |
---|---|
高校 | 37.0%(+1.1P) |
短大等 | 42.6%(+0.7P) |
大学 | 32.3%(+0.8P) |
()内は前年比増減
「新規学卒就職者の離職状況」を見ると、新卒者の就職後3年以内の離職率は高卒就職者で37.0%、短大卒の新卒で42.6%、大卒の就職者で32.3%となっています。つまり、30%以上の新卒者が3年以内に転職をしているのです。そして、大卒者より中卒や高卒、短大卒の人のほうが離職率が高いことがわかります。
また、「新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率」を見ると、事業所規模が大きくなればなるほど、新卒者の就職後3年以内離職率は下がる傾向にあることがわかります。
新卒で転職する場合の年数
3年以内に転職している新卒者が多いことはわかりましたが、就職後どれくらいの年数で転職をしているのでしょうか。
厚生労働省の「学歴別就職後3年以内離職率の推移」によれば、2020年3月に大学を卒業し就職した人の離職率は、1年目で10.6%、2年目で11.3%、3年目で10.4%となります。
入社から1~3年目の各年次で約10%の新卒者が転職しています。このことから、新卒で転職をする場合に、特定の年数で転職をする人が多いということはないとわかります。
新卒の転職のタイミングの考え方
新卒で転職をするときには、一定の年数で転職をすることになりますが、転職に適したタイミング・月などはあるのでしょうか。ここでは、新卒の転職をいつすべきかと、その考え方を紹介します。
1~3月、8・9月
転職に適したタイミングの1つは1~3月、8・9月です。この時期は求人が増える時期ですので、新卒であっても他の時期と比べて転職がしやすいからです。
第二新卒の求人は、新卒と同じ4月からのタイミングで教育を行うことから、1~3月に多くなります。また、中途採用の求人は8・9月にも多くなります。
このように、求人の数が多くなる時期に合わせて転職活動を行うことで、新卒であってもより転職を成功させられる可能性や、よい求人を見つけられる可能性が高まるでしょう。
ボーナスをもらった後
ボーナスをもらった後のタイミングも転職にはねらい目です。ボーナスをもらった後というのは転職者が増えるので、企業側も求人を増やす傾向にあります。この時期はより多くのチャンスがありますし、多くの求人を比較検討できるでしょう。また、ボーナスをもらって生活資金などを蓄えておくことで、余裕を持って転職活動を行うことができます。
ボーナス支給は一般的に6・7月、12・1月が多いので、このあとの月というのは新卒の転職に適しているでしょう。
しかし、ボーナス支給の直後に退職が決まっている場合には、ボーナスに対して減額を行う会社もあるようなので注意してください。ボーナスを見越して転職時期を決定するときには、事前に会社の規定を確認しておいたほうがよいかもしれません。
第二新卒の間に転職をする
第二新卒として採用される間に転職をするのも、新卒の転職ではおすすめです。第二新卒とは一般的には卒業後1~3年以内までの若手求職者のことですが、第二新卒としての採用であれば、中途より採用されやすくなるからです。
中途採用では経験やスキルを見られますが、第二新卒では新卒と同じような基準で選考をしてもらえ、経験があまりなくても採用をしてもらえる可能性があるのです。
厚生労働省のデータによれば、既卒者も新卒と同じ枠で応募可能とした企業の割合は70%となり、そのうちの38%が既卒者を採用しています。
第二新卒での採用を狙うのであれば、就職後1~2年程度で転職活動を行うのがよいでしょう。第二新卒として応募できる時期を逃さず、早めに活動を始めることでチャンスが広がります。
理想の求人が出るまで待つ
新卒の転職では、あまり急ぎすぎず理想の求人が出るタイミングまで待つというのもおすすめです。
というのも、ある程度自分の求める条件をクリアした転職先でなければ、転職した後にまた転職をしてしまうことになります。若い時期に転職を繰り返してしまうと、社会に適応できない人材だとみなされてしまう可能性がありますし、その後のキャリア形成が難しくなってしまうでしょう。
新卒での転職においては転職期間を長めに見積もり、焦らずに企業をしっかりと見極めましょう。
転職先が決まってから離職する
新卒で転職をする際には、転職先が決まってから離職をするようにしましょう。
転職先が決まらないうちに離職をしてしまうと、次の仕事がなかなか決まらないという場合に無職期間が長くなってしまいます。就業先が決まらないと、焦って自身の希望の条件を満たしていない企業に妥協で就職してしまうかもしれません。
また、企業側からの評価としても、先を考えずに離職をする計画性のない人材とみなされるリスクもあります。新卒では転職が決まってから離職をするようにしましょう。そして離職をする際には、最低でも離職の1か月前くらいには言っておくのがよいでしょう。
入社してすぐの退職は避ける
新卒での転職では、入社してすぐの退職は避けるようにしましょう。入社して1~3か月などの短期間で退職してしまうと、転職活動において企業に悪い印象をもたれてしまう可能性があります。
新卒入社してから1~3か月というのは、研修などが主になります。そういった時期に辞めるということは、困難を乗り越えることができない、ストレスに耐えることができない、社会に適応ができない、ビジネスマンとしての覚悟がない、などの人材であると思われるリスクがあるのです。
説明できる理由がある場合は退職をするのもよいですが、明確な理由がない場合には退職を延ばしたほうがよいでしょう。
早めに転職・離職をしたほうがよい人
早すぎる転職は避けたほうがよいと説明しましたが、すぐに転職・離職に踏み切ったほうがよい場合もあります。以下のような場合には注意しましょう。
体調に異変があらわれている
仕事が原因で体調に異変が起こっている場合には、仕事を休むか転職を考えるのもよいでしょう。
仕事の悩みが原因で心身に異常をきたすことがあります。厚生労働省のメンタルヘルスサイトを参考に、以下のような症状が出ていないか確認しましょう。
- 悲しく憂うつな気分が一日中続く
- これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない
- 食欲が減る、あるいは増す
- 眠れない、あるいは寝すぎる
- イライラする、怒りっぽくなる
- 疲れやすく、何もやる気になれない
- 自分に価値がないように思える
- 集中力がなくなる、物事が決断できない
- 死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う
こういった症状が起こっている場合には、仕事や職場が合っていない可能性があります。悪化する前に転職をしたほうがよいかもしれません。
労働環境が悪い
労働環境が悪い場合は、新卒であっても転職をしたほうがよい可能性があります。
新卒で入社した企業が、長時間労働や休日出勤、ハラスメントが頻繁にあるような環境の場合、心身に悪影響が出るかもしれません。このような企業の場合には、早めに転職を考えるのも手でしょう。
キャリアが実現できそうにない
新卒で入った会社が自身の理想のキャリアを歩めそうにないという場合には、転職を考えるのもよいでしょう。
新卒で入社する前には社会人経験もなく、業界や仕事内容について理解していないことも多いと思います。新卒で入社してから自身のやりたいことができない環境であるとわかる場合もあるかもしれません。
そのような場合、長く働いても自身の理想のキャリアを実現することは難しいので、早めに転職を考えたほうがよいでしょう。
新卒で転職するメリット
新卒での転職にはたしかにリスクがありますがメリットもあります。
転職しやすい可能性がある
新卒で転職をすることで、第二新卒として採用してもらえる可能性があり、中途よりも転職しやすい可能性があります。
第二新卒であれば新卒と同じ条件で見てもらえるので、実務経験やスキルは問われず、今後の成長や期待値で評価をされる傾向にあります。もちろん、入社後すぐに離職したという評価にはなりますが、納得できる退職理由を説明できるのであれば、伸びしろを期待されて採用される可能性があるのです。
また、新卒での研修を受けている場合や一定期間の勤務経験がある場合には、ビジネスマナーや基本的な常識が身についていると思われるので、採用されやすいという一面もあります。
希望の仕事に就ける可能性がある
新卒での転職では、希望の仕事に就ける可能性があります。
多くの新卒者が競い合う新卒時の就職活動では、自身の望む仕事に就けなかったかもしれません。しかし、採用された企業で経験を積み転職をする場合には、新卒時に採用されなかった仕事に採用される可能性があります。
その場合には、中途や第二新卒として選考に参加することになりますが、応募者の数は新卒の頃よりも少なくなるでしょう。また、業界経験などがあることで、新卒の頃よりも評価を得られるでしょう。
このように、新卒での転職では自身の希望の仕事に就くチャンスが得られるかもしれないのです。
時間を無駄にせずに済む
新卒で転職を行うことで、時間を無駄にせずに済みます。新卒のような若手の時期というのは、吸収力が高く大きく成長ができる時間です。
この時期に本来行いたいものではない仕事に充ててしまうと、せっかくの大事な時期を無駄にしてしまうことになります。そのあとに希望の仕事に就いたとしても、早く転職しておけばよかったと後悔してしまうかもしれません。
逆に早めに希望の仕事に転職しておけば、早めにキャリアを積むことができ、将来の自分のキャリアをしっかりと築くことができるでしょう。
ストレスから解放される
新卒で転職することで、現在抱えているストレスから解放されます。
もちろん、仕事においてはストレスは付きものなので、ストレスがあるからといって逃げるのはよくありません。ただ、あまりにも大きすぎるストレスというのは、心身ともに大きな悪影響を及ぼします。労働環境や人間関係などが悪い企業、ハラスメントがひどい会社などに就職してしまいストレスがあまりにも大きい場合には転職をしましょう。
ストレスに苦しんでいる場合には、ストレスから解放されることで心身ともに健康を取り戻せるでしょう。
新卒で転職するならどの業界がよい?
新卒で転職をする場合、また転職をするはめにならないように気をつけなくてはなりません。新卒で転職をするならどういった業界がよいのでしょうか。
避けたほうがよい業界とは
「新規学卒就職者の離職状況」によると、令和2年3月卒業者の「新規学卒就職者の産業別就職後3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業」は以下となります。
高校 | 大学 | ||
---|---|---|---|
宿泊業,飲食サービス業 | 62.6%(+2.0P) | 宿泊業,飲食サービス業 | 51.4%(+1.7P) |
生活関連サービス業,娯楽業 | 57.0%(▲0.2P) | 生活関連サービス業,娯楽業 | 48.0%(+0.6P) |
小売業 | 48.3%(+0.7P) | 教育,学習支援業 | 46.0%(+0.5P) |
教育,学習支援業 | 48.1%(▲5.4P) | 医療,福祉 | 38.8%(+0.2P) |
医療,福祉 | 46.4%(+1.2P) | 小売業 | 38.5%(+2.4P) |
この離職率のデータを見ると、離職率が一番高いのは「宿泊業,飲食サービス業」、次いで「生活関連サービス業,娯楽業」となっています。
「宿泊業,飲食サービス業」とは、具体的にはホテルや旅館、レストランや喫茶店などで働くサービス業のことです。また「生活関連サービス業,娯楽業」とは、美容業や旅行業、アミューズメント施設の従業員などが該当します。
これらの業界は給与が低い傾向にあることや、接客を伴う業務であること、立ち仕事が多いことなどが共通しているでしょう。そういった要素によって新卒の転職が多いのかもしれません。
また転職を繰り返さないためにも、これらの業界への転職は避けたほうがよいかもしれません。
新卒で転職するならどの業界を選ぶのがよい?
では、新卒で転職するときにはどの業界を選ぶのがよいのでしょうか。ここではまだ希望の仕事がない人に対して、データを参考におすすめの業界を紹介します。
「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によれば、「電気・ガス・熱供給・水道業」「鉱業、採石業、砂利採取業」「製造業」などの業界は、離職率が低いという結果が出ています。
これはつまり、労働環境や給与などの条件がよいので離職率が低いと考えられます。新卒の転職先としておすすめの業界といえるでしょう。
また、ベスキャリの実績としては、建設業界やIT業界、機電業界、半導体業界なども新卒で転職を成功している人が多いのでおすすめです。
新卒の転職では手に職をつけよう
新卒で転職をしたいなら、手に職をつけられる仕事がおすすめです。手に職をつければ転職市場で有利になりますし、将来的には独立なども視野に入れることができます。また、会社から決められた業務を行うだけでなく、自分で試行錯誤しながら仕事を行うことができます。
そして、手に職をつけられる仕事としては、エンジニアがおすすめです。エンジニアはあらゆる分野で必要な職業ですし、将来の安定も期待できます。
上記で挙げたような、離職の少ない業界である「電気・ガス・熱供給・水道業」「鉱業、採石業、砂利採取業」「製造業」などでエンジニアとして働ければ、また転職をすることなく手に職をつけられるでしょう。
こういった業界には、電気・電子エンジニアや機械エンジニアなどの専門のエンジニアがいます。ベスキャリでは、こういった業界で未経験可の求人を掲載しています。新卒未経験でもエンジニアになれるようにサポートいたします。
エンジニアの就職・転職はベスキャリで
新卒で転職を考えているときには、適切なタイミングを見極めるとともに、また転職をしなくてすむように転職先の仕事をしっかりと考えるようにしましょう。
まだ希望の業界や仕事がない人や、モノづくりに興味がある人、やりがいを求めている人は、ぜひエンジニアを目指してみてください。
エンジニアを求めている企業のなかには、未経験でも採用している企業があります。そういった企業では、研修を行っているのでイチから学ぶことができます。
ベスキャリでは、機電や建設、ITの分野において、エンジニアの求人を豊富に掲載しています。15年以上の運営歴があり、幅広いネットワークによって常時10,000件以上の案件を掲載しているので、あなたに合うお仕事がきっと見つかるはずです。
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