近年、企業においてDX化が進んでいることや、AIやビッグデータの活用などが盛んになってきたことで、ITエンジニアの需要は大きく高まっています。ITエンジニアを目指すという人も増えているのではないでしょうか。ただ、ITエンジニアは専門的な仕事であり情報もあまりないので、どんな仕事をしているのか、どのように目指せばいいかわからない人も多いと思います。
この記事では、あらゆるエンジニアの就職や転職の支援を行っているベスキャリが、ITエンジニアの職種や仕事内容、必要な知識やスキル、ITエンジニアとしてキャリアを築くポイントを紹介します。
ITエンジニアも含むエンジニア全体については以下の記事で解説しているので参考にしてください。
目次
ITエンジニアとは
ITエンジニアとは、情報技術(Information Technology)を利用して、エンジニアリングを行う技術者のことです。工学的知識やプログラミングスキルを用いて、システムやインフラ、Webサービスなどの設計・構築・運用を行います。
「ITエンジニア」が指す範囲は広く、ネットワークやサーバー、セキュリティ、システムなど、ITに関わる広い分野でITエンジニアが必要とされています。これらの各分野それぞれにおいて仕事内容は細分化されており、ITエンジニアには多くの職種が存在します。
ITエンジニアには、自身の担当する職種において専門的かつ高度な知識とスキルが求められます。
ITエンジニアの現状と将来性
まずはITエンジニアの現状と将来性について解説します。
ITエンジニアは不足している
現在、ITエンジニアは不足していると言われています。
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材の需給ギャップは2020年で30万人、2025年では36万人とされています。2015年から見ても、IT人材の需給ギャップは年々大きくなっており、ITエンジニアへの需要が高まっていることがわかります。
政府も「デジタル人材が質・量ともに充実しているとは言いがたく、人材全体の底上げや裾野の広がり、専門人材の育成・確保、都市圏への偏在解消等を同時に進めることが求められる」としており、「政府をあげてデジタル人材の育成・確保を推進する」と宣言しています。
将来もITエンジニアの需要は高い
ITエンジニアは、将来的にも需要が高いと考えられています。
「IT人材需給に関する調査」によるとIT人材の需要が年平均2.7%、労働生産性は年0.7%上昇することを前提に試算した場合、2030年には45万人ものIT人材が不足すると考えられています。
また、経済産業省の「DXレポート」によれば、既存システムのブラックボックス状態を解消しつつ、データ活用ができない場合には、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が発生すると考えられています。こういった問題を解決するためにもITエンジニアの育成が急務とされており、将来も需要は高いことが考えられます。
世界でもITエンジニアの需要は高い
ITエンジニアは、日本国内だけでなく世界でも需要が高まっています。
「データで見る世界のITエンジニアレポート」を見ると、2023年の世界109カ国のITエンジニア数は前年比では306.8万人増加しており、増加率は13.3%に上ります。2022年では対前年増加率は4.7%でしたので、それだけITエンジニアが必要とされており、ITエンジニアが増えていることがわかります。
このようにITエンジニアの需要が世界中で増加していることからも、スキルを身につけてITエンジニアになることで、国際的に活躍できるということもわかります。
ITエンジニアの職種と仕事内容
ITエンジニアは幅広い仕事のことを指し、多くの職種がありますが、大きく開発エンジニアとインフラエンジニアに分けられます。それぞれの職種を紹介するとともにその仕事内容を解説します。
開発エンジニア
開発エンジニアは、イチから開発を行うエンジニアのことです。IT関連のシステムやソフトウェア、Webサービスの設計、開発、保守などを行います。
システムエンジニア
システムエンジニア(SE)は、システムやソフトウェアの設計・開発を行います。
クライアントの要望を聞き、その課題を解決するための仕様を決定し、設計を行います。開発段階では仕様通りに開発が進むようマネジメントを行うとともに、予算管理やテスト、保守運用などを行います。
開発におけるプログラミングを行う場合もありますが、基本的にはプロジェクトにおける上流を担うエンジニアです。
Webエンジニア
Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーション、Webシステムなど、Webを用いたサービスの設計・開発を行うエンジニアです。
Webサービスのシステム部分の要件定義や設計、開発、プログラミングを行います。ブラウザなどで見えるUI部分の開発を行うフロントエンドエンジニア、サーバーなど裏側の開発を行うバックエンドエンジニアなどの職種があります。
サーバーやHTTP、CMS、アプリなど、Webに関する幅広い知識が必要なポジションです。
組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、家電製品や情報機器、工業製品などに組み込まれるソフトウェアやハードウェアの開発、組み込みを行うエンジニアです。
こういった機器にはコンピューターが搭載されており、機器が目的の動作・機能をスムーズに行うためのソフトウェアが組み込まれています。そのソフトウェアの設計や開発、プログラミング、組み込み作業を行います。ソフトウェアだけでなく、組み込むハードウェアの開発を行うこともあります。
IoTやAIなどの発達によって、あらゆる機器で複雑な動作が必要になり、組み込みエンジニアの需要は高まっています。
プログラマー
プログラマーとは、設計された仕様書に基づいて、実際にプログラミングを行うエンジニアのことです。
目的に応じて必要なプログラミング言語を使用できる能力や、仕様書に基づき正確にシステムやソフトウェアを制作する能力が求められます。プログラミング以外にも、システムのバグのチェックやテストなども行います。
プログラマーはWeb、システム、サーバー、データベースなど、エンジニアリングにおけるあらゆる分野において存在します。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、ITシステムの基盤となるネットワークやサーバー、データベース などのインフラの設計、構築、運用、保守を担当するエンジニアです。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、データを保存しコンピューターからの要求に対して適切なデータを送信する機能を持つサーバーの構築や運用、管理を行うエンジニアのことです。
コストや通信速度、容量などを考慮しながら最適なサーバー構成を設計し、物理的なサーバーの構築作業を行いサーバー環境を作成します。サーバーの定期的なチェックや調整などの運用も行いながら、サーバーに障害が起きた時には復旧作業を行います。
ネットワークやOS、セキュリティなど、幅広い専門知識が求められる職種です。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、企業が扱う情報を保存し、必要なデータを検索・抽出するためのデータベースの設計、構築、運用管理を行うエンジニアのことです。
どのような情報をどんな順番で保存するかなど、利用しやすいように設計をし、データベースの仕組みを構築します。データベースの運用も行い、データベースサーバーの最適化やセキュリティのチェックなどを行います。データベースの管理も行い、バックアップやアクセス権の付与などを行います。
OracleやMicrosoft SQL Serverなどのデータベース製品の知識やSQLのスキルが必要となります。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、インターネットや社内ネットワークなどのコンピュータネットワークの設計、構築、運用を行うエンジニアのことです。
ネットワークを構築するための機器やコスト、スケジュールなど、ネットワークの要件定義を行い、最適なネットワークの設計を行います。さらに、ケーブルの設置やサーバー設定などの構築作業を行い、回線速度や負荷のチェック、セキュリティ対策なども行っていきます。ネットワーク構築後の保守も行い、日々のチェックや障害が起きた時の対応なども行います。
近年ではクラウドネットワークについての知識も求められるようになっています。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、ITシステムやネットワークのセキュリティ対策を専門とするエンジニアです。
サイバー攻撃による被害を防ぐために、現行システムの調査、セキュリティに配慮したシステム設計や構築、保守運用を行います。ネットワークはもちろん、サーバー機器やシステム、アプリケーションにおいてもセキュリティホールが発生しないよう設計・構築を行います。
最新のサイバー攻撃やセキュリティ方法などの知識と対策が求められる仕事です。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウド環境上のサーバーやインフラの設計・構築、運用を行うエンジニアのことです。
クラウドサーバーやネットワークの設計を行い、サーバーの仮想化やデータベース構築、クラウドサービスとの連携などの構築作業を行います。クラウド環境が正常に動作しているかの確認、障害が発生したときの対応などの保守運用もクラウドエンジニアの業務となります。
ITエンジニアの年収
ITエンジニアの年収は、スキルや専門分野、業務の難易度、需要によって大きく異なります。ここでは、厚生労働省の職業情報提供サイトをもとに、システムエンジニアやデータエンジニア、組み込みエンジニアの年収を紹介します。
システムエンジニア (業務用システム) |
550.2万円 |
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システムエンジニア (基盤システム) |
660.4万円 |
データエンジニア | 534.6万円 |
組み込みエンジニア | 550.2万円 |
プログラマー | 557.6万円 |
このように、ITエンジニアといっても職種によって年収が異なってきます。その職種の業務の難易度や需要などによって、年収が変わってくるのです。
ただし、国税庁による「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本全国の勤労者の平均年収は458万円なので、ITエンジニアは全体的に年収が高いことがわかります。
ITエンジニアに必要な知識・スキルとは
ITエンジニアは職種に応じてそれぞれ専門的な知識とスキルが求められます。ここでは、ITエンジニアのすべての職種ごとで必要な知識・スキルを解説します。
システムエンジニアに必要なスキル
システムエンジニアは、システムやソフトウェア開発の上流工程を担いますので、以下のようなスキルが必要になります。
プログラミングスキル | プログラミングのスキルがなければ、コードの品質やコーディングの効率、保守性などを確認することができません。自分でプログラミングを行う場面も出てくるので必須のスキルです。 |
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マネジメントスキル | システムエンジニアは、スケジュール通りに高い品質の製品を納品しなくてはなりません。そのためのプロジェクトマネジメントスキルが必要です。また、チームで仕事を行うことになるので、メンバーのマネジメントや育成などのマネジメント能力も必要です。 |
論理的思考力 | システム開発において最適なシステムを構築するためには、問題を論理的に考え解決する能力が重要になります。 |
コミュニケーション力 | システム開発では、クライアントの要件を正確にヒアリングするとともに、チームや関係者と円滑なコミュニケーションを取る能力が必要です。 |
Webエンジニアに必要なスキル
Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションを開発するためのスキルを身につける必要があります。
プログラミングスキル | Web開発で利用される、HTML・CSS・JavaScript・PHPなどのプログラミングスキルは必須です。CMSの知識やカスタマイズなどもできるのが望ましいでしょう。 |
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サーバーの知識 | Webサービスではサーバーを利用するため、Webサーバーの知識も必要です。AWSなどのクラウドサーバーの知識も身につけるのがよいでしょう。 |
データベースの知識 | Web開発ではデータベースを利用することになります。データベースの設計や、SQLなどの言語のプログラミングスキルもあったほうがよいです。 |
コミュニケーション力 | Webエンジニアは、プロジェクトにおいてデザイナーやディレクターと連携することになりますが、円滑なコミュニケーションを取れるスキルが大事になります。 |
組み込みエンジニアに必要なスキル
組み込みエンジニアは、ハードウェアとソフトウェアの両方を扱うため、幅広いスキルが要求されます。
プログラミングスキル | 製品開発にはC言語、C++、Java、Python、アセンブリ言語などが用いられるので、これらの言語でのプログラミングスキルが必要です。 |
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ソフトウェアの知識 | リアルタイムOS、Linux OSなど、製品に組み込むソフトウェアOSの知識が必要です。また、ソフトウェア最適化スキル、デバッグスキルなども必要になります。 |
ハードウェアの知識 | マイクロコントローラやマイクロプロセッサ、デバイスドライバ、電子回路などのハードウェアの知識が必要になります。 |
コミュニケーション力 | 組み込みエンジニアは、クライアントだけでなく、製品開発におけるあらゆる部門の関係者とコミュニケーションを取らなくてはなりません。 |
プログラマーに必要なスキル
プログラマーは、仕様書をもとにスケジュール通りに正確に納品できなければなりません。そのためにも、以下のスキルが求められます。
プログラミングスキル | プログラマーはC言語やPHP、Pythonなど、担当する開発で求められる言語での高いプログラミング能力が求められます。また、デバッグやセキュリティに関するスキルも重要です。 |
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情報収集力 | プログラミングにおいては、日々新しい技術や方法が生み出されています。こういった技術やトレンドをとらえることも重要です。 |
コミュニケーション力 | プログラマーは上流のスタッフやチームメンバーとうまくコミュニケーションを取って、仕様通りのものを作るための能力が求められます。 |
サーバーエンジニアに必要なスキル
サーバーエンジニアは、サーバーに関する高い知識とサーバーを運用するための知識やスキルが求められます。
プログラミングスキル | サーバーサイドでのプログラミングに必要な、Apache・MySQL・PHP・Perl・Pythonなどのスキルが必要です。 |
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OSの知識 | LinuxやWindows Server、UnixなどのサーバーOSの知識と操作スキルがあるとよいでしょう。 |
セキュリティの知識 | サーバーはあらゆる情報を保管するのでセキュリティ対策が必須です。セキュリティマネジメントやファイアウォール、セキュリティソフトなどの知識を身につけなければなりません。 |
サーバー設計の知識 | サーバーをより最適化するには、サーバー設計のスキルを身につける必要があります。キャリアアップするのにもこの知識は重要になります。 |
データベースエンジニアに必要なスキル
データを扱うデータベースエンジニアでは、データベースを扱うスキルはもちろんのこと、データを利用するスキルなど幅広いスキルが必要になります。
プログラミングスキル | データベースを操作するにはSQLのスキルが必須です。 |
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データベースの知識 | データベースの設計や最適化のための知識、データベース管理システムやデータモデルの知識などが必要になります。 |
セキュリティの知識 | データベースに保管されたデータが悪用されないために、セキュリティの知識が必要になります。 |
コミュニケーション力 | 顧客と要件について話しあうとともに、運用時にどのようにデータを活用するかを関係者とスムーズにコミュニケーションする能力が求められます。 |
データ分析スキル | データベースエンジニアは、データから読み取れる情報を提示する場合があります。こういったデータ解析やレポート作成のスキルも身につけるのがよいでしょう。 |
ネットワークエンジニアに必要なスキル
ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの知識はもちろんのこと、クラウドやセキュリティなどの知識など、高度な知識・スキルが求められます。
コンピューターネットワークの知識 | ネットワークの設計や構築のためには、通信技術やネットワーク機器などの知識が必要です。 |
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クラウドの知識 | クラウドが一般化したことで、クラウド上のネットワークを構築する技術・知識を身につけるのがよいでしょう。 |
セキュリティの知識 | ネットワークシステムはサイバー攻撃を受ける可能性があるので、IPSやファイアウォールなどのセキュリティの知識が重要です。 |
コミュニケーション力 | 構築するネットワークについて顧客とコミュニケーションを取る必要がありますし、サーバーサイドエンジニアなどの関係者とスムーズにコミュニケーションを取るための能力が求められます。 |
セキュリティエンジニアに必要なスキル
セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃などによる情報漏洩を防ぐための多くの専門知識が求められる仕事ですので、以下のようなスキルが必要です。
セキュリティに関する専門知識 | サイバー攻撃からサーバーを守るための知識であるファイアウォールやウイルス対策、情報漏洩を防ぐためのセキュリティマネジメントなどの専門知識が必要です。「IPAスキルマップ」として定められている16の項目なども抑えるのがよいでしょう。 |
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ネットワークの知識 | インターネットを介して侵入、攻撃がなされるので、ネットワークに関しても知識が必要です。データの暗号化や認証技術などの知識も重要です。 |
法律の知識 | セキュリティエンジニアの仕事に深く関わる、個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法、不正アクセス禁止法などの法律は抑えておかなくてはなりません。 |
コミュニケーション力 | 適切なセキュリティ対策を行うには、クライアントから体制や要望をうまく聞き出し、関係者と協力してプロジェクトを進めなくてはなりませんので、コミュニケーション力は重要になります。 |
クラウドエンジニアに必要なスキル
クラウドエンジニアは、クラウド上でサーバーやネットワークなどのインフラを構築するエンジニアですので、以下のようなスキルが必要となります。
プログラミングスキル | クラウド環境で利用されるPython・Ruby・Javaなどの言語のスキルがあれば、正しいプログラミングがされているかや問題箇所の修正が可能です。 |
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ミドルウェアの知識 | Webサーバー、アプリケーションサーバー、データベースなど、OSとアプリケーションを仲介しプログラムを動作させるためのソフトウェアであるミドルウェアの知識も必要です。 |
サーバー、ネットワークの知識 | ネットワークを通じてクラウド上のサーバーを扱うことになるので、サーバーやネットワークの知識が必須となります。 |
クラウドサービスの知識 | クラウド化においては、AWSやAzure、GCPなどのクラウドプラットフォームを利用することも多いので、こういったサービスの仕組みに関する知識が必要です。 |
ITエンジニアのキャリアプランの考え方
ITエンジニアには幅広い職種があるとともに様々な働き方があります。将来のキャリアプランをしっかりと考えておかなければ、理想のキャリアや自身の強みを活かしたキャリアが歩めないという事態になってしまうかもしれません。ここでは、ITエンジニアのキャリアプランで考慮すべきポイントについて解説します。
技術職かマネジメントか
ITエンジニアがキャリアプランを考えるときには、技術職として専門スキルを磨き現場で実務を行う道と、マネジメント職としてプロジェクト管理や人材育成、組織作りに携わる道があります。これらのどちらを目指すかは、エンジニアのキャリアの大きな分岐点になります。
技術職は、プログラミングやシステム設計、ネットワーク構築などの専門知識を深めていくことになります。エンジニアリングを追求し、いつまでも現場でプロジェクトに向き合うことになります。
一方、マネジメント職はプロジェクトの進行管理やチームメンバーの育成・指導、リソース配分など、より広範な視点で組織を動かす役割を担います。エンジニアリング以外に、リーダーシップやコミュニケーション能力などを身につける必要があります。より上流の工程で仕事ができるようになります。
社員か独立か
ITエンジニアは、社員として働く道とフリーランスや社長になるという独立の道があります。
正社員として企業に雇用される場合、安定した収入と福利厚生を得られます。仕事は企業から与えられますし、大規模なプロジェクトなどにも参加できます。企業内での教育・研修プログラムを通じてスキルを磨けることなどもメリットでしょう。一方、組織のルールや文化に従う必要があること、働き方が制限されることなどのデメリットがあります。
独立した場合は自由な働き方ができますし、プロジェクトやクライアントを自分で選ぶことができます。仕事が獲得できれば高い収入を得られます。しかし、自ら営業活動や財務管理を行わなくてはならないですし、収入が不安定というデメリットもあります。
スペシャリストかゼネラリストか
ITエンジニアのキャリアにおいては、特定の分野に特化したスペシャリストを目指すか、広い領域を扱うゼネラリストを目指すかを選択することも重要です。
スペシャリストは、特定の技術や分野に深い知識と経験を持つエキスパートです。ひとつの職種を突き詰めていくようなキャリアプランとなります。特定の分野において深い知識と経験を得られます。特定分野の専門家やCTOなどを目指すことができます。
一方、複数のプログラミング言語を習得し、フロントエンドやバックエンド、インフラ設計などの幅広い業務に対応できるのがゼネラリストです。全体を俯瞰で見ることができるので、プロジェクトリーダーやコンサルタントなどを目指すことができるでしょう。
ITエンジニアでキャリアを築くためのポイント
ITエンジニアとしてキャリアを築くときには、気をつけなくてはならないポイントがあります。
ゴールを明確にする
ITエンジニアがキャリアを築くときには、ゴールを明確にする必要があります。将来的にどのような分野のITエンジニアになりたいのか、どのような働き方を目指すのかを具体的にすることが重要なのです。
というのも、こういった自身の理想のキャリアが明確になっていないと、身につけるべきスキルがわからなかったり、キャリアの途中で理想につながらない職種に就いてしまったりという事態が起こります。それによって、将来的には理想のキャリアを歩めないということになるでしょう。
ゴールが明確であれば、計画的に行動することができ、ぶれることなくキャリアを高めていくことができます。
ゴールに必要なスキルを洗い出す
ゴールを明確に設定したら、そのゴールに到達するために必要なスキルや知識、経験を細分化して洗い出すことが大事です。漠然とゴールを目指しても必要なスキルなどがわからないので、将来的にゴールを達成できないでしょう。また、ひとつのスキルの習得に必要な要素をさらに細分化することで、そのスキルを確実に身につけることができるでしょう。
たとえば、セキュリティエンジニアのスペシャリストとなり独立を目指すのであれば、サイバー攻撃やファイアウォール、ウイルス対策などの知識が必要です。そしてサイバー攻撃について学ぶのであれば、マルウェア攻撃やランサムウェア攻撃、SQLインジェクション攻撃などそれぞれについて学ばなくてはならないでしょう。
これらのスキルをリストアップし、ひとつひとつ習得していくことで、確実にゴールを達成できます。
学ぶ姿勢を忘れない
ITエンジニアがキャリアを築きたいと考えるのであれば、学ぶ姿勢を忘れてはなりません。
ITエンジニアは技術や知識が評価につながります。どういったことができるのか、どんなことを知っているかなどが重要なのです。また、IT分野の技術はどんどん進化しているので、常に学んでいかなければ、技術が古くなってしまいます。
日々の業務のなかで学ぶ姿勢や自分で試してみるといった姿勢が大切です。
転職をうまく活用する
ITエンジニアは、転職を通じてキャリアアップを図ることができます。
IT業界というのは転職によるキャリアアップが一般的ですし、転職を行うことで異なる業界・業種などで働くことができますし、新しいスキルを身につけることができます。
ちなみに、ITエンジニアは転職回数が増えると年収が上がる傾向にあるというデータがあります。このデータによると、転職しない人と比べて生涯年収が1000万円近く変わるということです。
転職をすることで、入社した時から比べて給与水準が高まることやスキルと経験が上がることで年収も高まるということが考えられます。
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ITエンジニアの就職・転職、フリーランスでの活躍をお考えなら、「ベスキャリIT」がおすすめです。
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未経験からITエンジニアになる方法
未経験からでもITエンジニアになることは可能なのでしょうか。ここでは、未経験からITエンジニアになる方法を紹介します。
スクールに通う
未経験からITエンジニアを目指すにはスクールに通う方法が考えられます。
スクールでは短期間でプログラミングを学ぶことができます。こういったスクールでは、プログラミングの基礎をイチから学べます。オンラインスクールなども多いので、自宅で自由に学習ができます。
基礎を学ぶカリキュラムなので、すぐに現場で働けるほどのスキルは身につかないことが多いですが、スクールによっては実践的な内容まで学ぶこともできます。
こういったスクールでは就職先の紹介などもしてくれることも多いので、短期間でITエンジニアを目指すのにはよいでしょう。
大学や専門学校に通う
大学や専門学校に通うのも、ITエンジニアを目指すのには有効です。
こういった学校では長期的に幅広い内容を学ぶことができます。より専門的な内容を体系的に学ぶことができるので、専門的なITエンジニアを目指す場合に最適です。学術的な内容なども学べますし、最新の技術を試すことなどもでき、就職後に実務をこなす実力を身につけられます。
大学などでは資格を取得することもでき、より就職を有利に進めることができます。就職先の斡旋などもある場合が多いです。
独学で学ぶ
独学でITエンジニアを目指すことも可能です。
この方法は費用がかからない反面、自分ですべて行わなくてはならないというデメリットがあります。わからないことがあると自分で調べて解決しなくてはなりませんので時間がかかりますし、間違った方法を身につけてしまうリスクもあります。開発環境も自分で用意しなくてはなりません。
プロのエンジニアの人に師事するということもできますが、人脈がない場合には難しいでしょう。
ITエンジニアのキャリアを高める資格
ITエンジニアとしてのキャリアを高めるためには、専門知識や技術の習得が重要です。その一環として資格の取得は有効です。ここでは、特にキャリアに役立つ4つの資格について解説します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITに関する基礎的な知識と技能を問う国家資格です。情報処理技術者試験の1つであり、ITの基本理論からハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベース、セキュリティまで、幅広い範囲の知識をカバーしています。
試験では、テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系、アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティなどから出題されます。
基本情報技術者試験に合格していれば、一定の知識があることを証明でき、就職に有利だといえるでしょう。ビジネスパーソンとして必要な知識も学べるので、プログラミングのスキルとは別で評価を得られるとも考えられます。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位に位置する資格で、より高度な知識と技術を証明できます。
試験では、アルゴリズム・コンピュータ構成要素・データベース・ネットワークなどのエンジニアとしての専門知識だけでなく、プロジェクトマネジメント・システム監査・システム戦略・経営戦略など幅広い範囲で知識が問われます。
応用情報技術者試験に合格することで、ITエンジニアとしての総合力が認められ、プロジェクトリーダーやマネージャーとしてのキャリアアップにつながります。特に、複雑なシステム開発や大規模プロジェクトに関与する場合、この資格は非常に有効でしょう。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、企業や組織の情報セキュリティを確保し、サイバー攻撃などによる情報漏洩から組織を守るスキルを問う国家資格です。
情報セキュリティの基本的な概念、リスク管理、セキュリティ対策の実施方法、セキュリティポリシーの策定と運用、法令・規制の理解、企業のセキュリティマネジメントの計画や運用などが試験内容となります。
情報漏洩やサイバー攻撃が増加する現代において、情報セキュリティの知識は企業にとって非常に重要です。情報セキュリティマネジメント試験に合格することで、ITエンジニアとしての信頼性が高まり、セキュリティ関連のポジションに就くことができるほか、セキュリティコンサルタントとしてのキャリアパスも開けます。
ITストラテジスト
ITストラテジストは、経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進できる力を証明する資格です。
経営戦略、IT戦略の策定と実行、プロジェクトマネジメント、情報システムの企画・設計、リスク管理など、経営とITの両方を包括的に理解する能力が求められます。
企業のIT戦略を策定し実行に移す能力を証明できるので、組織全体のITガバナンスを強化する役割を担えるようになります。CIO、CTO、ITコンサルタントなどを目指す人におすすめの資格です。
まとめ
ITエンジニアは、需要が高いにも関わらず人材不足の仕事です。ITエンジニアにはものづくりの魅力や高度な技術を扱えること、高い年収などの多くのメリットがあります。また、転職をすることでよりキャリアを高めることができます。ぜひITエンジニアへの就職や転職をしてみてください。
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