フリーランスエンジニアとして働いていくのはきついのではないか、と考える人もいるのではないでしょうか。たしかに、フリーランスエンジニアは仕事を自分で得ていかなくてはならなかったり、収入が不安定になったりする可能性があったりと、人によってはきついと感じるかもしれません。
そこで今回は、フリーランスエンジニアとして仕事を続けていくことが本当にきついのか、きついと言われる理由や労働環境、収入面を解説するとともに、フリーランスエンジニアとして成功するための方法を紹介します。
目次
フリーランスエンジニアがきついと言われる理由
フリーランスエンジニアが「きつい」と言われる理由は何なのでしょうか。まずは、その具体的な理由を考えます。
社会的な信用が低い
フリーランスエンジニアがきついと思われるのは、社会的な信用が低いことが理由と考えられます。20~50代のフリーランスエンジニア約1000人に行ったアンケートでは、実際にフリーランスになって感じたデメリット・不満な点として、「社会的信用が低い」ことがもっとも高くなっています。
フリーランスはサラリーマンのように固定の収入があるわけではありませんし、地位などもなくなってしまうので、どうしても社会的信用が低くなってしまいます。社会的信用が低いとローンの審査が通りにくかったり、クレジットカードの契約などにも制限が出てきたりといった可能性があります。また、結婚の障害になったり、企業相手に大きな取引を行うことも困難になる可能性などがあります。
このように、社会的信用が低いと様々なデメリットを被るリスクがあるので、フリーランスエンジニアがきついと思われるのでしょう。
事務作業が必要
フリーランスエンジニアは様々な事務作業を自分で行わなくてはならないということも、きついと思われる所以です。
フリーランスエンジニアは、日々の取引内容の帳簿付けや請求業務、利益の計上、確定申告のための手続き、国民健康保険や国民年金といった社会保険の加入や保険料の手続きなどを自分で行わなくてはなりません。
企業の社員であれば、これらの事務作業は専任の部署や担当者が処理してくれます。しかし、フリーランスは基本的にすべての作業を自分でこなさなければなりませんし、仕事をしながら事務も行わないといけないため、きついと感じるのでしょう。現に、上のアンケートでも「実際にフリーランスになって感じたデメリット・不満な点」として、「労務や確定申告などの事務作業の手間がかかる」が2位となっています。
福利厚生が不十分
福利厚生や将来の保障が少ないことも、フリーランスエンジニアがつらいと感じる要因のひとつです。
福利厚生は企業が従業員やその家族に提供するものであるため、基本的にフリーランスには適用されません。会社員であれば、雇用保険や健康保険、労災保険などに加入できますし、住宅手当や年次有給休暇、産前・産後休業、育児休業などを与えられることがありますが、フリーランスの場合にはこういった福利厚生を受けられません。
福利厚生を受けられないと、病気などで仕事ができないときや仕事が原因で怪我をした場合の保障を受けられません。また、将来の社会保障も会社員と比べると少なくなってしまいます。こういったことが原因で、フリーランスエンジニアはきついと思われている可能性があるのです。
ただし、「小規模企業共済制度」などに加入すれば、フリーランスであっても退職金の積み立てが可能ですし掛金は全額が所得控除の対象となるため、福利厚生がないことをカバーできる可能性があります。
営業が必要
フリーランスエンジニアは自分で営業を行わなくてはならないことも、きついと言われる理由でしょう。フリーランスエンジニアが仕事を継続的に獲得するには営業活動が欠かせません。会社員であれば営業専門の部門が仕事を獲得してきてくれましたが、フリーランスになると自分で仕事を取らなくてはなりません。自分で営業をしなくても仕事がもらえた会社員とはその点に大きな違いがあります。
エンジニアの中には営業経験がなかったり、営業が苦手だったりする人も多いと思います。そのような人は、フリーランスエンジニア専門のエージェントや求人サイトなどを利用することで営業の負担を減らせる可能性があります。
ひとりで仕事をすることになる
フリーランスエンジニアは基本的にひとりで仕事をすることが多く、これがつらいと思われる要因になっているかもしれません。フリーランスエンジニアのプロジェクトはチームで作業をすることになりますが、作業自体はリモートで行うケースが多いです。
休憩時間などにちょっとした雑談をしたり、気軽に交流したりすることはできないでしょう。人との関わり、コミュニケーションを必要とする人にとっては、フリーランスの働き方がきついと感じてしまうかもしれません。
また、フリーランスでは仕事の責任もすべて自分にかかるため、ミスや遅れなどがあった際に自分ですべて責任を負わなくてはならない点もきついと思われる理由でしょう。
収入が不安定
収入が不安定であることも、フリーランスエンジニアがきついと言われる理由です。サラリーマンであれば固定の給与を毎月得られましたが、フリーランスではそうはいきません。フリーランスエンジニアは案件があるときには収入を得られますが、案件が終わってしまうと収入がなくなってしまいます。
正社員やフリーランスのエンジニアを対象に行ったアンケート調査でも、「フリーランスになることに対する不安」として最も多く挙げられたのは「収入が安定しなさそう」という点でした。この結果からも、多くの人が収入の不安定さに対して不安に感じていることがわかるでしょう。
ただ、複数の案件を並行して行ってリスクを分散したり、長期契約の仕事を得たり、投資を行ったりなど、やり方次第では不安定であるリスクを抑えられる可能性はあります。
フリーランスエンジニアの労働環境
フリーランスエンジニアは労働環境がきついのではないかと思う人もいるかもしれません。
上で紹介した「フリーランスエンジニアとしての働き方」についてのアンケート調査を見ると、労働環境できついと感じているフリーランスエンジニアというのはあまりいないという結果になっています。むしろ労働環境にメリットを実感している人が多いようです。ここでは、フリーランスエンジニアの労働環境について紹介します。
仕事の掛け持ちができる
フリーランスエンジニアは、複数の案件を掛け持ちできる点が大きな特徴です。フリーランスエンジニア1000名を対象としたアンケート調査によると、フリーランスエンジニアが1ヶ月あたりに受ける案件数の割合は以下のとおりです。
案件数 | 割合 |
---|---|
1件 | 19.8% |
2件 | 27.9% |
3件 | 28.5% |
4件 | 7.7% |
5件以上 | 16.1% |
月に1件だけの人もいますが、全体としては2~3件の案件を同時に進めている人が多いことがわかります。複数の案件に関わることでさまざまな業務に携わることができ、自身のスキルアップにつながるはずです。また、1つの案件だけを行うよりも、複数の仕事を並行することで気分転換にもなるでしょう。
出典元:https://relance.jp/blog/fact-finding-survey-of-freelance-engineers-202301
働く時間が自由
フリーランスエンジニアは働く時間が自由です。サラリーマンのように決まった労働時間はありませんし、何時に働くかやどれだけの日数働くかも自分で選ぶことができます。上のアンケート調査によると、フリーランスエンジニアの1日の平均業務時間と週の平均業務日数は以下のようになっています。
1日の平均勤務時間 | 割合 |
---|---|
1時間未満 | 6.6% |
1~3時間未満 | 25.4% |
3~5時間未満 | 33.0% |
5~10時間未満 | 34.8% |
週の平均勤務日数 | 割合 |
---|---|
1日 | 8.4% |
2日 | 15.7% |
3日 | 20.9% |
4日 | 17.5% |
5日 | 26.5% |
6日 | 6.2% |
7日 | 4.5% |
1日5~10時間働いている人が最も多く34.8%となっていますが、1時間~5時間の人も58.4%であり、一般的な会社員と比べて短時間だけ働いている人も多いことがわかります。また、週5日勤務が最も多いものの、3日や4日だけ働く人も一定数おり、余裕を持って働いていることがわかります。
フリーランスエンジニアは自分で仕事量を選べるので残業を少なくできますし、休みのスケジュールも自分で調整でき、長期休暇なども取得しやすいでしょう。このように、フリーランスエンジニアは労働時間の面から見ると、きついということはなさそうです。
どこでも仕事ができる
フリーランスエンジニアの労働環境の特徴は、どこでも仕事ができることです。アンケート調査によると、出社とリモート勤務の割合は以下のようになっています。
勤務形態 | 割合 |
---|---|
基本的にクライアント先に出社 | 18.6% |
クライアント企業に出社多め・一部リモート | 30.7% |
リモートでの業務多め・一部出社 | 21.0% |
基本的にリモートワーク | 29.5% |
「リモートでの業務多め・一部出社」と「基本的にリモートワーク」を合わせたリモート中心の人は約51%、クライアント先への出社が中心の人は約49%であり、ほぼ半々の割合になっています。リモートで働くことができれば、カフェやコワーキングスペースなど、自由な場所で仕事をすることが可能です。
仕事を自分で選べる
自分で仕事を選べるということもフリーランスエンジニアの特徴です。会社員では会社から指示された仕事を行いますが、フリーランスエンジニアは自分で案件を選べます。自身の興味のある分野や得意な分野の仕事を選んだり、経験のある仕事などを選ぶことができます。
また、「フリーランスのITエンジニアに関する実態調査」によると、フリーランスエンジニアの約7割がスキルアップのために勉強をしていることがわかっています。仕事を自分で選べれば、これからスキルを伸ばしたい分野の仕事に応募することでスキルアップもしやすいでしょう。
フリーランスエンジニアは収入がきつい?
フリーランスエンジニアは収入が不安定になる可能性がありますが、実際のところ収入面できついと感じることは多いのでしょうか?ここでは、データをもとにフリーランスの収入について紹介します。
フリーランスと社員の年収の違い
フリーランスエンジニアとしての働き方に関する調査によると、フリーランスエンジニアになったことで収入が上がったと回答した人は全体の約54.52%でした。
85%以上の人が社員時代と同額、もしくはそれ以上の年収を得ていることがわかります。フリーランスになることで収入がきつくなるということはあまりなさそうです。
ただ、キャリアを重ねると正社員は年収が大きくなるので、長期的にみたときにはフリーランスのほうが収入が大きいとは必ずしもいえない点に注意しましょう。
フリーランスエンジニアの平均年収
同じ調査によると、フリーランスエンジニアの平均年収で最も多いのは 500万円以上800万円以下(27.1%)、次いで 300万円以上500万円未満(25.8%)となっています。そして、全体の平均年収は約632万円でした。
また、ITフリーランス約2400人のデータを分析した調査した結果、所属するフリーランスエンジニアの3人に1人が年収800万円以上を得ているということがわかっています。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」 によると、日本の給与所得者数の平均年収は460万円となっており、フリーランスエンジニアの収入の水準が高いことがわかります。フリーランスエンジニアの収入には波はあるかもしれませんが、年収としてはきついということはないのではないでしょうか。
フリーランスエンジニアをきついと感じる人は多い?
実際にフリーランスエンジニアになってきついと感じる人は、どのくらいいるのでしょうか。
フリーランスエンジニアをやめたい人は?
フリーランスエンジニアをきついと感じるということは、やめたいと思っているはずです。フリーランスエンジニアをやめたいと考えている人はどれくらいいるのでしょうか。
上でも紹介した働き方についての調査によると、「今後もフリーランスエンジニアとして働きたいか?」という質問に対し、「直近で正社員になることを考えている」と回答した割合は7.2%でした。何らかの理由できついと感じてやめたいという人は少数ではありますが存在することがわかります。また、「続けたい」と回答した人は約51.6% でした。回答者の半数以上はフリーランスの働き方に満足しているようです。
しかし、フリーランスエンジニアとしての働き方に満足している人が多い一方で、「直近はフリーランスエンジニアとして働くが、将来的に正社員になりたい」という人は34.15%でした。こういった人はフリーランスを長く続けられるかを不安に感じているのでしょう。フリーランスエンジニアの寿命については以下の記事で解説しているので参考にしてください。
『フリーランスエンジニアとして働ける寿命は短い?何歳まで働けるかを解説』
社員に戻りたいという人は?
正社員を経験しフリーランスとして働くエンジニアへの調査によると、「フリーランスエンジニアから社員に戻りたいか?」という質問には以下の回答になりました。
戻りたくない | 48.7% |
---|---|
あまり戻りたくない | 37.7% |
やや戻りたい | 8.7% |
戻りたい | 5.3% |
「戻りたくない」と「あまり戻りたくない」を合わせると、正社員に戻りたくない人の割合は86%にのぼります。多くのフリーランスエンジニアは正社員に戻る意向はないことがわかります。この結果から、正社員として働くことのほうがきついと感じている人が多いことがわかります。
フリーランスエンジニアとして成功する方法
フリーランスエンジニアという働き方に満足している人は多いものの、きついと感じる人も一定数います。フリーランスになった後にそうならないためにも、成功する方法を抑えておきましょう。
スキルを身につける
フリーランスエンジニアとして案件を獲得して収入を得続けるためには、スキルを身につける必要があります。
フリーランスエンジニアは、スキルによって受注できる案件の幅が変わってきますし、報酬が大きく変わります。スキルが不足していると、案件が獲得できなかったり単価が低くなってしまう可能性があります。
複数の言語を身につける、複数の領域の仕事を経験する、ニーズの高いスキルを身につける、資格を取得するなどして案件の幅を広げるとともに、単価を上げるのがよいでしょう。また、営業スキルやプレゼンスキル、コミュニケーションスキルを高めることも有効です。
複数の案件を掛け持ちする
複数の案件を掛け持ちするというのも、フリーランスエンジニアがうまく稼いでいくための方法のひとつです。複数の案件を掛け持つことで、収入が不安定になることを防げます。
ひとつの案件に依存していると、その仕事が終了すると収入がなくなってしまいます。複数の案件を掛け持ちしていればひとつの仕事が終わったとしても他の案件から収入を確保でき、収入がなくなってきついという状態は回避できます。
また、複数の案件を掛け持ちすることで、幅広い業種や職種のノウハウを蓄積することができ、より自身の市場価値を高めることができるでしょう。クライアントや人脈を広げることにもなり、将来の成功につなげることができるはずです。
エージェントに相談する
フリーランスエンジニアが仕事を獲得して収入を得続けるためには、エージェントに相談するのもおすすめです。フリーランスエンジニア向けのエージェントは、豊富な案件のなかから自身に合った仕事を紹介してくれます。
エージェントは業界に精通していますし、企業や案件の外からはわからない詳細な情報を持っています。自分のスキルセットや経験などから、マッチする案件を提案してもらえるでしょう。自身で営業をする必要がないので、営業が苦手なエンジニアの人でも仕事を得られるはずです。
また、エージェントは面接や職務経歴書のアドバイスをしてくれる場合がありますし、報酬の交渉なども行ってくれる場合もあります。フリーランスエンジニアとして効率よく仕事を得るためには、エージェントを積極的に利用するのがよいでしょう。
フリーランスエンジニアの求人はベスキャリITで
フリーランスエンジニアはきついのではないかと考えている人もいると思いますが、今回紹介したようにフリーランスエンジニアは収入面でも働き方の面でもメリットが多いです。仕事の獲得が不安という人はぜひフリーランスエンジニア向けのエージェントを利用しましょう。
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